「いい人」を採ってはいけない?成果で選ぶ採用が、あなたの会社を変える

『頭を使って雇う』(2007年)は、標準的な求人票で標準的な人材だけを集めてしまう従来のやり方に、一石を投じる一冊です。採用市場で「売り手」と「買い手」の立場をいつ切り替えるべきかを知れば、最適な人材を確実に選べるようになります。求人広告から面接までのプロセスを根本から見直すことで、あなたの採用活動は一新されるでしょう。

本書の要点:最高の人材を採用し、ビジネスを効率化する方法を学ぶ

優秀な社員ひとりが、凡庸な社員の山より価値があることは、管理職なら誰でも知っています。社員が優秀かどうかで、ビジネスの成否は大きく左右されます。強いチームと成長する事業を築きたいなら、採用を熟知しなければなりません。問題は、多くの人が同じ過ちを繰り返していることです。

面接の進め方や適切な職務記述書の書き方を知らないため、間違った人材を雇い、その管理や解雇に無駄なリソースを費やしてしまうのです。そして、また最初からやり直し。本書のポイントは、そうした結末を避け、最高の人材を引き寄せ採用することでチームを前進させる方法を解説します。本書を読めば、以下のことがわかります:

  • 個人的な先入観が適切な採用を妨げるのを防ぐ、面接のコツ
  • 優れた人材が職務記述書に求めるポイント
  • 企業の採用サイトで応募完了率を上げる、ある工夫

採用に関するよくある誤解に惑わされてはいけない

空いたポジションに最高の人材を惹きつけるにはどうすればいいでしょうか。まず、採用にまつわるよくある誤解について知っておく必要があります。採用担当者はしばしば面接プロセスで誤りを犯します。応募者の能力や仕事への意欲ではなく、応募者と面接官とのやり取りに重きを置きすぎてしまうのです。

さらに、採用判断の大半は、面接開始直後の印象に過度に左右されます。応募者と面接官のあいだにはすぐに対人関係が生まれ、それが面接官を強く揺さぶってしまうのです。応募者をすぐに好きになると、面接が進むにつれて簡単な質問ばかり投げかけがちになります。特定のスキルが足りなくても「あとで覚えればいい」と考え、欠点を見過ごしてしまうかもしれません。逆に、最初から嫌いだと感じると、より厳しく当たり、自分の良くない第一印象が正しかったことを証明しようと、無意識に欠点探しを始めるでしょう。

私たちには、応募者が実際に仕事を遂行できるかよりも、スキルばかりに注目する自然的な傾向もあります。面接でのパフォーマンスを重視しすぎると、その仕事に本来何が求められるのかを見失いがちです。ですから、応募者の印象ではなく、その人の実務能力に焦点を当てるよう、自分に言い聞かせましょう。客観性を追求してください。より客観的になろうと努力することで、業務上の要求項目に自然と注意が向くようになります。では、どうすればよいのでしょうか。

まず、面接後すぐに採用判断を下さず、少なくとも30分は待ちましょう。第一印象だけで決めてはいけません。実績ベースの採用を確実にする本当の鍵は、実績プロファイルを作成することです。その仕組みを次に見ていきましょう。

従来の職務記述書では、最適な人材を見つけられない

多くの人は、求められるスキルや資質を長々と列挙した職務記述書を作成して採用活動をします。しかし、それは最も効果的な方法ではありません。凡庸な社員を雇う結果に終わるだけです。職務記述書に頼ってはいけません。

代わりに実績プロファイルを使いましょう。実績プロファイルは、必要なスキルや資格ではなく、そのポジションが達成すべき目標を明示するものです。応募者をふるいにかける強力な手段となります。たとえば、「市場調査が得意な人」を求めるのではなく、「最初の1か月で包括的な競合分析レポートを作成できる人」と示すのです。具体的なタスクを強調することで、仕事の要件が測定可能な目標に変わります。

応募者が「持っているもの」ではなく、何を「できるか」に焦点を当てましょう。重要なのはスキルそのものではなく、スキルで何を成し遂げられるかです。実績プロファイルを作る際には、理想の応募者のベンチマークを設定します。最高の人材ならその仕事をどのようにやり遂げるでしょうか?たとえば、著者が知る宝飾品製造会社では、研磨部門の高い離職率に悩んでいました。ベンチマークを取ったところ、最も優秀な従業員は細部に目が行き届く人たちだと判明したのです。

そこで、面接時に応募者に宝飾品を評価させる課題を出し、注意力の細やかさを測るようにしました。その結果、離職率は低下。応募者に実際のタスクを与えることは、職務記述書に答えさせるよりはるかに有意義です。優秀な人材は、すでに持っているスキルではなく、何ができるようになり、何を学べるかでポジションを選びます。自己成長と向上心が強いのです。意欲の高い人は、単調な業務リストにしか見えない職務記述書に魅力を感じません。だからこそ、最高の人材を引き寄せたいなら実績プロファイルを活用すべきです。

採用方法に創意工夫を凝らす

多くの企業が、効率的な採用プロセスを築くのに苦心しています。なかには採用部門を丸ごと設けているところさえあります。それではリソースを大きく消費してしまいかねません。多くの企業が見落としているのは、採用部門の本来の目的です。

採用活動とは、最短の時間と最小のコストで最良の候補者を見つけることに尽きます。ところが、退屈な詳細を並べただけの魅力のない広告を出し、どうにか適切な人材が見つかるのを願っているだけの会社が多いのです。そんな道を進んではいけません。闇雲に手探りするだけです。凡庸な職務記述書は凡庸な人材しか呼び込みません。皆と同じ採用戦略を使っていては、自社のポジションも会社もまったく目立ちません。

代わりに、多彩で興味深い採用テクニックを追求しましょう。ポジションをオンラインで告知するのは良いアイデアです。質の高いキャリアサイトとクリエイティブな広告を活用してください。自社の採用ページも重要な役割を担います。会社のトップページから見つけやすく、見た目が魅力的で、不具合がなく、わかりやすい導線になっていることを確認しましょう。応募フォームの使いやすさも非常に大切です。

実際、応募フォームを自動入力できるようにする(LinkedInのオートコンプリート機能を使うなど)と、応募完了率が75%上がるという調査結果もあります。自社側のプロセスも効率的に保ちましょう。応募を受け取ってから24時間以内に、上位の候補者に電話をしてください。そうすれば逃げられません。迷いがある状態では、翌日には興味を失っているかもしれません。採用で勝てるのは、最もクリエイティブかつ積極的な採用プログラムを持つ企業だということを忘れないでください。ヒント:応募者を未来の部下ではなく、潜在顧客のように扱いましょう。

面接は人気投票ではなく、事実確認の場である

なかには、面接を「会社に馴染めるかどうか」のテストのように使う雇用主もいます。もしそうしている自分に気づいたら、やめましょう。それは面接の有効な使い方ではありません。面接の本質は、その人が本当に仕事をうまく遂行できるかを見極めることにあります。

そこで、実績ベースの面接を取り入れましょう。実績ベースの面接は、事実確認が目的です。実施するには、二つの重要な質問をする必要があります。一つ目は「最も重要な成果」質問、略してMSAです。キャリアの中で最も重要な達成事項は何か、詳しく尋ねてください。細部まで聞き出すことが大切です。

エントリーレベルの採用であれば、誇りに思うプロジェクトについて質問しましょう。言い回しはいくつもあります。「あなたが関わったプロジェクトやタスクで、特に誇りに感じているものを説明してもらえますか?」このMSA質問への良い答えから、採用判断に必要な情報のほぼすべてが得られます。たとえば「バラバラだったチームをまとめ、素晴らしいプレゼンテーションに導いたことが誇りだ」と語れば、その人が生来のリーダーだとわかるでしょう。二つ目に重要なのが「あなたならどうするか」質問です。

これは、ある問題を提示し、どう解決するかを尋ねるものです。この質問への答えから、応募者の思考プロセスがわかります。即興で考え、職務特有の問題をどれだけうまく解決できるかが示されるのです。営業管理職の面接をしているとしましょう。

たとえば、新製品をどう売り込むかといった問いが考えられます。また、事実をはっきりさせることをためらってはいけません。時に面接官は、取り乱しているように見えるのを怖がって、追及質問を避けることがあります。しかし細部こそが重要なので、できる限り多くを引き出しましょう。

第一印象に流されると、最良の人材を逃してしまう

面接での第一印象がいかに当てにならないかはすでに述べました。採用時に感情的な偏見にとらわれるのは簡単ですが、それを積極的に避けなければなりません。そこで、採用プロセスで正しいポイントに集中し続けるための良いヒントをいくつか紹介します。まずは、証拠に基づく評価を取り入れることです。

証拠に基づく評価とは、直感ではなく確かな証拠で応募者を判断することを確実にするものです。仕事上の実際の要求に照らして評価しましょう。実績プロファイルを作成済みであれば、理想の応募者像はすでに明確になっているはずです。さらに重要なのは、面接官一人に採用判断を任せてはいけないということです。代わりに、複数名のチームで採用可否を決めましょう。評価シートも作成してください。

面接後に報告会を開き、情報を共有して意見を比較しましょう。パネル面接も有効です。一対一の面接で生じる多くの問題を取り除いてくれます。パネル面接が良いアイデアである理由はいくつかあります。第一に、より客観的で目標志向になること。雑談の余地が減り、面接の焦点がぶれにくくなります。

面接官が三人もいれば、些細な話題で脱線することはできません。パネル面接では、応募者の回答を評価しやすくなるという利点もあります。一対一では、次の質問を考えるのに集中しすぎて、相手の答えを聞き逃してしまうことがあります。部屋に複数の面接官がいれば、交代で質問でき、より応募者に集中できるのです。

ただし、パネル面接は応募者にとって威圧的に感じられることもあります。パネルを使う場合は、事前にその旨を知らせておきましょう。面接が取り調べのように感じられてはいけませんから。

応募者のリファレンスと経歴を必ず確認する

面接は重要ですが、面接だけで人を採用してはいけません。それが応募者を評価する唯一の方法であってはならないのです。徹底的に調べ上げるようにしましょう。さもなければ、本来雇うべきでなかった人材の教育や解雇に、さらに多くの時間とリソースを浪費することになります。

本気で採用を考えている応募者については、必ずリファレンスチェックを行います。面接官は早々に判断を固めてしまい、この段階を飛ばすことが多いですが、それは危険です。リファレンスがないのは良くないサインですが、好意的な内容だからといって安心できるわけでもありません。だからこそ確認が必要なのです。照会先には、応募者の実績について詳細に質問しましょう。紹介者に対しても面接と同じように話を聞いてください。

徹底的に行います。「コミュニケーション能力が高い」と言われたら、具体的な例を求めましょう。リファレンスチェックでも個人的な偏見が問題になりえます。応募者をとても気に入っていると、紹介者に対して厳しい質問をするのを無意識に避けてしまうかもしれません。著者の知るある上級管理職は、この点で苦労しました。彼は人事部長から「候補者は優れたアナリストだが、マネージャーとしては平均的だ」と電話で伝えられました。

しかし、人事部長はその候補者を気に入っていたため、マネジメントスキルについてそれ以上質問しませんでした。代わりにアナリストとしての強みにばかり注目した結果、結末は目に見えていました。また、経歴確認も行うべきです。学歴、職歴、運転記録、犯罪歴をチェックしましょう。

手間がかかりすぎるなら、専門業者に依頼する手もあります。採用のためだけにやることが多すぎると思われるかもしれませんが、覚えておいてください。この手間には価値があります。早い段階で手間をかけることで、あとで手遅れになるのを防ぐのです。

優れた採用活動は「買い」と「売り」のプロセスである

採用プロセスが実際にいつ始まり、いつ終わるのか混同している人がいます。実際には、欠員を告知したその日から始まり、最終面接まで続きます。採用プロセスの初期段階では、応募者が「売り手」で、企業が「買い手」です。応募者は自らのスキルや能力を「売り込んで」、仕事を得なければなりません。

自社のプロファイルに合うことを証明する必要があります。しかし、実際にマッチする人ばかりではありません。だからこそ、雇用主であるあなたも相手を「買う」必要があるのです。大きな買い物をするときと同じように、採用を決める前に候補者について可能な限り学んでください。適切な人材を見つけたら、立場は逆転します。あなたが売り手になり、相手が買い手になるのです。

雇用オファーを出すときは、御社こそが働くのに最適な場所だという考えを「売り込んでいる」のです。相手に他の機会があれば、自社が一番だと示すためにより努力しなければなりません。たとえば、社内のメンターを提案することで、優秀な候補者を惹きつけられるかもしれません。メンターの存在が、プロフェッショナルとしての成長に御社がふさわしいと確信させてくれることもあるでしょう。絶対に、金銭だけで仕事を売り込んではいけません。常に「機会」を軸に語るのです。

給与では他社にかなわなくとも、優れた人材を惹きつける本質はそこではありません。著者が25年の経験で学んだ重要な教訓は、最高の人材はめったに金銭目的で仕事を選ばないということです。彼らは、自らの目標や野心を実現したいからこそ仕事を選ぶのです。だからこそ、「なぜ優秀な人材がこの仕事をやりたいと思うのか」を自問してください。

まとめ

本書の核心:採用は企業にとって最も重要な要素のひとつです。結局のところ、会社を定義するのは社員であり、適切な人材を見つけることは不可欠です。客観性を追求し、徹底的な面接と経歴確認を行い、ふさわしい人物を見つけたら交渉をうまく進めましょう。相手に良い給与以上の価値を提供してください。

最高の人材を採用することは、最終的に莫大な見返りをもたらします。実践的なアドバイス:言葉選びに注意!実績プロファイルには動作動詞を使いましょう。創り出す築く変える改善するといった言葉は、しなければならない責任を負うといった受動的な表現より、必要な仕事をはるかに的確に表します。さらに読みたい方へ:グローイング・グレート・エンプロイーズ(エリカ・アンデルセン著)『グローイング・グレート・エンプロイーズ』(2006年)は、コーチング、マネジメント、リーダーシップについての本です。コンサルタント兼CEOのエリカ・アンデルセンは、本全体を貫くガーデニングの比喩を用いて、活気に満ち生産性の高い社員を育てる方法を巧みに説明しています。

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