2019年刊行の『プレッシャーに押しつぶされない女の子たち』は、学齢期の女の子たちが学校生活、家庭、社会全体を通じて直面する特有の課題を探ります。臨床心理学者としての豊富な経験を活かし、リサ・ダムールは、若い女性に不釣り合いなほど大きな影響を与えているストレスと不安を、女の子たちが乗り越えられるよう、親や教師、メンターがどのように支援できるかを解説します。
この本から何が学べる?「女の子の世界」へようこそ
女の子であることは、必ずしも楽なことではありません。女の子は、家庭でも学校でも、さらに広い文化の文脈でも、男の子にはかからないさまざまなプレッシャーにさらされています。そして、その影響は目に見えて現れています。近年、女の子のストレスと不安の割合は急激に上昇しており、親や教師、メンターたちは、若い女性たちのメンタルヘルスの危機にどう対処すればよいのか頭を悩ませています。
幸いなことに、子どもの発達を専門とする臨床心理学者のリサ・ダムールには、女の子たちが回復力と自信を持ち、自己を確立できるようになるためのアドバイスが豊富にあります。学校、社会的期待、友情、男の子との関わりなど、「女の子の世界」のあらゆる側面を見つめ、女の子たちが直面する最も一般的なプレッシャーのいくつかを知ることができるでしょう。また、彼女たちが直面する課題に対処できるよう、何を言い、何をすべきかも学べます。本書を読むと、以下のことがわかります:
- なぜ女の子と男の子は成績表の解釈が異なるのか
- 文化が女の子に求める期待が、どのようにして彼女たちの不安につながるのか
- セクハラを経験している女の子に、何と声をかければよいのか
女の子であることは、時に大変なことなのです。
状況によっては、ストレスや不安は必ずしも不健康なものではない
21世紀に入り、女性の活躍を阻む法的・社会的・政治的障壁の多くが取り除かれつつある今でも、女の子は男の子にはないプレッシャーにさらされています。そして、そのプレッシャーは大きな負担となっています。ここ数年、女の子のストレスと不安は急増しています。しかし、女の子たちが直面する現実的で有害なプレッシャーについて話す前に、まず、ストレスが少しなら必ずしも悪いものではないということを理解しておくことが重要です。
実際、ストレスは役に立つこともあります。たとえば、心理学の研究によれば、自分のコンフォートゾーンを押し広げることによって生じるストレスは、個人の成長につながることがわかっています。大勢の前で話すといった慣れない挑戦に取り組むとき、私たちは有益なストレスを経験します。こうした挑戦は、将来の困難に強く立ち向かえるよう、回復力を養う助けとなります。同様に、恐怖、パニック、不安感といった特徴を持つ不安を時々経験するのも、必ずしも心配する必要はありません。なぜでしょうか?
不安は、何かが間違っていることを私たちに知らせてくれます。時には適切な反応であることもあります。たとえば、10代の若者が大事な試験のことを考えて不安を感じるなら、それはまだ十分に復習できていないからかもしれません。とはいえ、結局のところ、ストレスや不安が不健康になる臨界点が存在します。それは、不安が精神的な健康に悪影響を及ぼすようになった時です。重要なのは、この影響はストレスの実際の原因よりも、その問題に取り組むための感情的・経済的・社会的リソースが十分にあるかどうかによって決まるということです。
たとえば、腕を骨折することは、クラスでノートを取ってくれる友達がいる女の子にとっては、回復力を高めるストレスの源になるかもしれません。しかし、スポーツ奨学金で大学を目指している女の子の場合はどうでしょう?おそらく、同じ腕の骨折が彼女のメンタルヘルスに深刻な影響を与えるでしょう。不安に関しては、警報システムが頻繁に鳴りすぎていないかどうかに注目することで、健康的なレベルと不健康なレベルを区別できます。もし頻繁に鳴りすぎているなら、私たちは絶えずパニックや恐怖を感じ、不安な考えが次から次へと頭を駆け巡ります。——先生がクラスメートの前で私を馬鹿に見せるだろうか?迎えの車が私を置いて行ってしまうだろうか?
不安が過剰になると、睡眠、幸福、集中力に支障をきたし、すぐに不健康な状態になります。教育心理学者として、ダムール博士はよくメルトダウン状態の女の子たちを診ています。
問題を避けるのではなく、向き合うことを助けることで、女の子の不安を軽減する
ある日、ジェイミーという10代の少女が、涙を流しながら彼女のところにやってきました。彼女は、まもなく行われる化学のテストに失敗するのではないかと心配し、どうにかしてテストを受けずにすむ方法を必死に探していました。ダムール博士は少女のストレスに共感しましたが、彼女が試験を回避するのを手伝ったりはしませんでした。
回避は不安を悪化させるだけだからです。ダムール博士がジェイミーの化学のテストの回避を手伝っていたらどうなっていたでしょう?最初は、それが正しい行動のように思えたかもしれません——ジェイミーはすぐに圧倒的な安堵感を感じたでしょう。しかし、ジェイミーはいつかはテストを受けなければならず、彼女の極度の不安はすぐに戻ってきます。そして彼女は貴重な教訓——テストに失敗しても、必ずしもそれほど恐ろしいものではないということ——を学べなかったでしょう。
何しろ、このテストは特に重要なものではありませんでした。さらに、もしジェイミーがその日テストを回避していたら、彼女は難しいテストを恐れるべきものだと感じ続け、将来も回避し続けたかもしれません。10代の少女を、不安になるからというだけで何かを避けるように手助けすると、彼女は最終的に恐怖症を発症してしまうかもしれません。たとえば、犬が少し怖い女の子を考えてみましょう。彼女は犬を見るたびに道の反対側に渡り、すぐに安堵感を覚えます。しかし、そうすることで、友好的な犬に出会う機会を永遠に失ってしまうのです。
こうして、彼女は犬を避けることを安堵と結びつけ、犬を見ることを恐怖と結びつけ続けます。では、ダムール博士はその日、ジェイミーをどのように助けたのでしょう?実に簡単なことです。彼女は、恐怖から逃げるのではなく、恐怖に立ち向かう手助けをしました。試験前の1時間に先生に追加の助けを求めること、そして、はっきり理解していない分野についてオンラインのビデオチュートリアルを見ることを勧めたのです。結果はどうなったでしょう?
数日後、ダムール博士が、今ではすっかり落ち着いたジェイミーに話を聞くと、テストはまだあまりうまくいかなかったものの、受けたことで気分が良くなったと報告しました。10代の娘が怖がっているものに対して、小さな一歩を踏み出す手助けをしましょう。成功するかもしれないし、失敗するかもしれません。しかし、どちらにしても、恐れなくなることを学ぶでしょう。心理学者として、ダムール博士は子どもの社会的スキルや友達を作る能力を心配する親たちによく出会います。
内向的で慎重な女の子は、必ずしも不安障害を持っているわけではない
10歳のアリーナの両親も、こうした心配を抱えていました。アリーナは社会的に不安が強く、友達は数人しかおらず、幼い頃から初対面の人を警戒していたと言います。彼女をもっと社交的にするにはどうすればいいか、と両親は尋ねました。しかし、彼らにとって意外だったのは、ダムール博士がアリーナの行動を解決すべき問題とは考えなかったことです。近年、ダムール博士はアリーナの両親のような、自分の子どもを「社会的に不安がある」とレッテルを貼りたがるクライアントが増えていると感じています。実際には、こうした子どもたちの多くは、単に生まれつき内気なだけなのです。研究によれば、子どもは赤ちゃんの頃から異なる性格を持っていることがわかっています。具体的には、乳児の性格タイプは3つあります:のんびり屋で変化や初対面の人を受け入れやすい「育てやすい赤ちゃん」、すぐにイライラし変化を嫌う「扱いにくい赤ちゃん」、そして、一般的に用心深く変化に慣れるのがゆっくりな「ウォームアップが遅い赤ちゃん」です。
重要なのは、研究によれば、3つの性格タイプのうちどのタイプの赤ちゃんも、バランスの取れた安定した大人に成長する可能性があるということです。ダムール博士の見解では、アリーナは単に、ウォームアップが遅い子どもでした。このタイプの子どもは、変化や新しい人に対して、最初は警戒心や内気さで接する可能性が高いのです。しかし、ダムール博士が両親に指摘したように、これは必ずしも悪いことではありませんでした。
アリーナをもっと自信があって社交的な兄と常に比較するのではなく、新しい経験や人間関係に急いで飛び込まなくても大丈夫だと娘を安心させるように、博士は両親に促しました。社交や慣れない状況について不安を感じている娘がいる場合、彼女の社交的状況に対する最初の反応が、最終的な反応とは限らないということを覚えておくと役に立ちます。たとえば、生まれつき内気な子どもが誕生日会の招待を受け取ったとき、最初は行きたくないと言うかもしれません。この場合、判断せずに冷静に彼女の反応を受け止め、数日後にもう一度どう感じるか見てみようと提案してみましょう。アリーナのようにウォームアップが遅く慎重な子どもにとって、考える時間を持った後の第二の反応は、より前向きなものである可能性が高いのです。
男子より成績が良いにもかかわらず、女の子の方が学業成績を心配している
アメリカの教育に関して言えば、女の子は男子を大きくリードしています。学校では、女子生徒は全科目で男子を上回っています。大学に進学すると、女子学生は男子学生より人数が多く、卒業率も高く、より高度な学位を取得しています。残念ながら、この学業面での優秀さには代償が伴います。
実際、女の子は男の子よりもはるかに多く、学校がストレスの原因だと報告しています。では、教室で女の子が感じるプレッシャーを軽減するにはどうすればよいのでしょう?まず、男の子と女の子の重要な違いを理解する必要があります。それは、女の子は男の子よりもはるかに学業成績を心配しているということです。研究によれば、女の子は男の子よりも、教師から受けるフィードバックを重視することがわかっています。女の子は成績を、自分が何を達成できるか、あるいは達成できないかについての、非常に重要なシグナルとして捉える傾向があります。
言い換えれば、彼女たちは成績が自分の能力の反映であると信じているのです。当然のことながら、この傾向は、悪い成績を受け取ったときに、女の子たちに絶望的な失望感を抱かせがちです。なぜなら、彼女たちはそれを自分の学力に対する決定的な否定的評価として解釈するからです。対照的に、研究によれば、男の子は学業に対する態度に自信を持っています。彼らは教師からの悪いフィードバックをあまり気にせず、悪い成績を能力不足ではなく努力不足のせいにする傾向があります。
女の子が「悪い成績や平凡な成績は自分の生まれつきの能力の表れだ」という思い込みを克服する手助けには、彼女には次回の成績を向上させる力があると説得してみましょう。試験や宿題は、その時点での彼女の理解度を測るものにすぎないと説明しましょう。一生懸命努力して教科の知識を深めれば、次回は成績を上げられます。学業成績は自分で向上させられるというメッセージを伝えることが重要です。研究によれば、スキルは努力によって伸ばせると信じている生徒は、成績が真の能力を反映していて変えられないと信じている生徒よりも、学校について心配する傾向が少ないことがわかっています。ダムール博士は女の子たちと一対一で会うだけでなく、グループで集まって彼女たちが共通して直面する問題について話し合うこともあります。最近、15~16歳の女の子のグループと話した際、#metoo運動、つまり権力を持つ者による性的虐待の話題が出ました。
女の子は広範囲にわたるセクハラに直面し、自分を責めてしまう
ダムール博士が、グループの女の子たちに自分自身がハラスメントを経験したことがあるか尋ねたところ、彼女が受け取った反応は、まったく驚くべきものではないにしても、衝撃的なものでした。アメリカ大学女性協会の調査によれば、アメリカの中学・高校の女子生徒のほぼ50%が、学校で不本意な身体接触や胸やお尻を触られるなどのハラスメントを経験しています。ダムール博士が話をした10代の女の子たちは女子校に通っていましたが、それでも日常生活でハラスメントを経験していました。
多くの女の子が、知っている男の子たちにお尻を掴まれたり、ブラジャーのストラップを引っ張られたり、「ビッチ」や「尻軽」などと気軽に呼ばれたりしたと報告しました。さらに、ダムール博士は、女の子たちが自分が受けたセクハラが自分のせいなのかどうか確信が持てないことが多いと指摘しました。グループのある女の子は、自分と友達がよくレギンスを履いているので、男の子たちが彼女たちを侮辱するのを助長しているのかもしれないと話しました。この恥の感覚こそが、女の子たちがセクハラについて誰にも話せなくなる原因です。自分が何かしたか、何か着ていたから招いてしまったに違いないと感じてしまうからです。
この自己責任感は、女の子を持つ親にとって、娘に「セクハラを受けたことは決してあなたの責任ではない」と安心させることがいかに重要かを示しています。10代の娘がいるなら、セクハラについての会話を始めてみましょう。時間をかけて、男の子たちの彼女に対する態度について尋ね、敬意を持って扱われているかどうかを聞いてみましょう。もし彼女が受けた屈辱的な扱いについて打ち明けてきたら、話してくれたことを嬉しく思うと伝えましょう。その問題に取り組む手助けをする準備があると伝えましょう。あるいは、彼女が心を閉ざして何も共有したがらない場合は、セクハラが蔓延していることを伝えてください。
恥ずべきなのはハラスメントをする側だけであって、被害者ではありません。また、今も将来も、このような問題であなたの助けを求めたことを後悔させないと伝えてください。悲しいことに、私たちの文化は、男の子には課さない基準を女の子に課すことがよくあります。ダムール博士は、15歳の女の子、ニッキーが彼女のところに来たときに、このことを目の当たりにしました。ニッキーは学校の勉強と課外活動でいっぱいいっぱいで、不安を感じていました。その結果、睡眠にも問題を抱えていました。
次第に、ニッキーのストレスと不安の根本原因が明らかになりました。彼女は人に「ノー」と言えないと感じていたのです。ニッキーは体操の才能がありましたが、学校の勉強が増えたことで体操をやめる決断をしていました。残念ながら、体操のコーチは彼女の決断を受け入れませんでした。
「女の子は従順であるべき」という文化的期待が、彼女たちを不安にしている
それどころか、コーチはニッキーに長時間の体操訓練を続けるよう圧力をかけただけでなく、年下の体操選手のグループの指導を始めるよう頼みました。ニッキーは気が進まないまま、両方の要求を受け入れました。なぜでしょう?コーチをがっかりさせたくなかったからです。
社会として、私たちは通常、女の子に男の子よりも従順で扱いやすくあるよう教えています。言い換えれば、私たちは彼女たちが言われたことをするのを期待しているのです。納得できませんか?頼み事を断る女性に私たちが投げかけるレッテルを考えてみてください。たとえば、自分が散らかしていない散らかりものを片付けるのを断る女の子は「思いやりがない」と言われるかもしれません。あるいは、「わがまま」や「ビッチ」など、もっと心を傷つける言葉を投げつけられるかもしれません。では、男性特有の同等の言葉があるかどうか、自問してみてください。
悪くても、協調性のない男性を「嫌な奴」と呼ぶことはあるかもしれませんが、この言葉でさえ、女性に向けられるのと同じ軽蔑の念を完全には捉えていません。実際、男の子が期待通りに行動しないときの反応は、単に「男の子はそういうものだ」というものです。こうした異なる期待は、ニッキーのような女の子にプレッシャーを与え、彼女たちはしばしば不可能な板挟み状態に陥ります。人から頼まれたことすべてに同意し続けるのは持続可能ではありません。それでも、不快な名前で呼ばれたり、悪く思われたりすることを恐れて、ノーと言うのをためらってしまうのです。こうして、女の子は人を断ることへの不安でいっぱいになります。
たとえば、行きたくないパーティーへの招待を受け取った女の子は、行かなかったら人にどう思われるかを心配するかもしれません。娘さんが貴重な時間を守り、ストレスや不安を最小限に抑えられるように、ノーと言ってもいいのだと教えましょう。境界線を引く女性を包む非難の声に、自分も加わってはいけません。
まとめ
本書の重要なメッセージ:女の子は、学校でも社会全体でも、特有の課題に直面しており、それがストレスや不安のレベルに悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、周囲の大人からの適切なサポートがあれば、女の子たちが直面するプレッシャーの悪影響はうまく軽減できます。実践的なアドバイス:ネットに書いてあることをすべて信じないこと。デジタルデバイスで24時間いつでも無限にニュースやクリックベイト記事を読める時代、悲観的になるのは簡単です。
メディアは、10代の少女たちが危機的状況にあり、すべてが悪化しているかのように報道することがよくあります。しかし、クリックベイト記事が何と言おうと、10代の若者は比較的安全なのです。実際、研究によれば、現代の10代は、薬物・アルコール・喫煙の経験が少なく、カジュアルなセックスも減り、シートベルトや自転車用ヘルメットの着用が増えています。ですから、次に10代の悲観的なニュースを読んだときは、あなたの10代の子どもの方が、あなたが10代だった頃よりもずっと行儀が良い可能性が高いことを覚えておいてください。
次に読むべき本:アンタングルド(リサ・ダムール著) 女の子たちが直面するプレッシャーについて理解できたところで、彼女たちが大人へと移行するのをどうサポートし続けるかを学ぶ時です。同じ著者リサ・ダムールによる『アンタングルド』は、女の子たちが自立した未来へと進む中で直面する特有の課題を理解したい人にとって、かけがえのないガイドです。母親、父親、教師、メンターのいずれであっても、10代の娘が実際に経験していることを知り、彼女と関わる際の最も一般的な落とし穴を乗り越えるためのアドバイスを得られます。





