人生の主導権を握り、理想の毎日を実現する「ボス思考」の秘訣

『ビーイング・ボス』(2018年)は、成功するビジネスを築く決意をしたクリエイティブ起業家のためのガイドです。適切な考え方の育み方から境界線の引き方、目標設定、休暇の取り方まで、仕事も人生も充実させる実践的な方法を紹介します。

この本で得られること:人生の主導権を握り、最大限に生きる方法を学ぶ

多くの人が、決まった時間の仕事を辞めて自分のボスになることを夢見ています。しかし、夢見ることと実際に行動することはまったく別物で、指針なしではその夢を実現するのは不可能に思えるかもしれません。

本書をあなたの羅針盤にしてください。ビジネスを立ち上げ、自分にとって大切なことに充てる質の高い時間を作り出すための実践的なヒントとアドバイスを紹介します。

本書で学べるのは、次のようなことです。

  • 「ボスになる」ための土台
  • 庭づくりから学べること
  • 200人の見込み客の注目を集める方法

ボスになるには、明確な意図、コミットメント、プロセスへの信頼が欠かせない

ここで質問です。仕事に満足し、熱意を持って取り組んでいる人はどのくらいいると思いますか? 60%? 50%? 実際の数字は驚くかもしれません。

調査会社ギャラップによると、アメリカの従業員のうち、仕事に熱心で前向きな人はわずか30%に過ぎません。多くの人が起業を望むのも無理はありません。しかし、従業員からボスになるのは簡単なことではありません。たとえば、事業計画をどう作り、どうやって仕組みを整えればいいのか。家族や友人、趣味など、自分にとって大切なすべてに使う時間はどう確保すればいいのか。

大変そうに思えますが、不可能ではありません。成功するビジネスを築き、充実した人生を送ることはできるのです。それを著者たちは「ビーイング・ボス」と呼んでいます。

ここでの重要なポイントは、ボスになるには明確な意図とコミットメント、そしてプロセスを信頼することが必要だということです。

「ビーイング・ボス」とは、仕事でもプライベートでも、自分が望む人生を意図的に創り出すことです。事業を築いて収入を得るだけでなく、人間関係や経験、ライフスタイルにも投資し、自分が輝ける状態を目指します。そして素晴らしいことに、これらをどう定義するかは完全にあなた次第なのです。情熱を感じる仕事だけをする、強い価値観と信念に基づいたビジネスを展開する、あるいは自由に旅ができるようになる、といった形が考えられます。

しかし、ボスになるための具体的な中身をどう定義するにせよ、そこへたどり着くにはハードワークが求められます。その過程を乗り切る唯一の方法は、プロセスを楽しみ、信頼することを自分に誓うことです。プロセスそのものを楽しめば、キャリアの見直しから家庭生活の調整まで、必要な変化に取り組みやすくなります。そして、今取り組んでいることが長い目で見れば必ず報われると信じていれば、不安や心配に振り回されることも少なくなります。

では、夢の仕事と人生を手に入れるためのコミットメントと信頼を、具体的にどう築けばいいのでしょうか。それには、正しい土台が必要です。さまざまな起業家やクリエイティブな人たちと話をするなかで、著者たちは「ボスになる」ための土台となる共通の考え方を見つけ出しました。

これから紹介する章では、そうしたテーマと、自分らしく働き充実した人生を送る旅のなかで、それらをどう活用するかを探っていきます。

価値観、自信、ポジティブさが「ボスのマインドセット」を形作る

マリアンヌとトロイという二人を紹介しましょう。どちらも自分のデザイン会社を立ち上げることを夢見ています。当然、二人とも大きな一歩を踏み出すことに不安を感じています。自分たちの野望は非現実的で、成功させる力などないのではないかと心配しているのです。

しかし、共通点はそこまでです。トロイは不安に負けて夢をあきらめますが、マリアンヌは不安に正面から向き合い、自分のビジョンに向かって努力します。

マリアンヌとトロイを分けた魔法、それは彼女の「マインドセット」にあります。

ここでの重要なポイントは、価値観、自信、ポジティブさが「ボスのマインドセット」を形作るということです。

起業家として立ちはだかる課題に取り組むには、適切なマインドセットが欠かせません。その中核となるのが、自分の決断や行動を導く価値観、つまり行動指針です。たとえば、勇気を大切にする人は定期的に怖いと思うことに挑戦し、本物志向を大切にする人は表面的な会話より意味のある対話を好みます。

自分自身の価値観を見つけるには、自分が共感することについて考え、思いつく限り書き出してみましょう。たとえば、正直さ、安定、創造性といったものが挙げられるかもしれません。アイデアが必要なら、オンラインでリストを探してみるのも手です。

これまでで最も幸せで充実していた瞬間を振り返り、そのときに感じられた価値観がどれかをメモします。次に、似ている価値観をグループ分けし、どれがより大切かを考えます。その価値観を守るために戦うかどうかを自問するのが、良い見極め方です。最終的に、5つから10のコア・バリューに絞り込みます。

ただし、正しいマインドセットとは価値観に従うだけではありません。インポスター症候群 ― 自分には望む人生を創り出す力がないと感じる気持ち ― にも打ち勝つ必要があります。

成功している人でもインポスター症候群を経験します。これに立ち向かうには、自信を高めることが大切です。まず、自分の好きな資質やスキルに目を向け、それを定期的に意識するようにしましょう。自分に前向きなマントラやアファメーションを唱えるのも効果的です。

そしてポジティブさについて言えば、これもボスのマインドセットを構成する要素です。頻繁に不平を言ったり、否定的なことにくよくよしたりするのは非生産的で、仕事にも私生活にも悪影響を与えます。より前向きなものの見方を育むには、瞑想が役立ちます。瞑想によって自分の思考に気づき、それを変え始めることができるからです。最後に、すでに人生にある良いことに感謝する時間を持つことで、ポジティブさをさらに後押ししましょう。

自分の利益とリソースは、明確な境界線で守る

あなたがガーデニングに挑戦すると想像してみてください。本を読んで学んだあと、裏庭の一角にいくつかの種を植えました。

必要なだけ水やりや肥料を与えますが、植物はなかなか育ちません。そしてすぐに理由がわかります。他の人がその庭に自分の種を植えていたのです。限られた水と肥料では、あなたの植物は十分な栄養と手入れを受けられずに苦しんでいます。

解決策は簡単です。庭を守り、資源を確保するためにフェンスを作らなければなりません。これはボスへの道でも同じです。

ここでのポイントは、自分の利益とリソースは、明確な境界線を引くことで守るということです。

境界線とは、自分にとって大切なことを育むのに必要な時間とスペースを確保するためのルールです。たとえば、週末や休暇中はメールをチェックしないと決めたり、自分の最善の利益にならない機会は断ったりすることがそれにあたります。考えてもみてください。すべてをこなすことは不可能で、そうしようとすればストレスが溜まり、やがて燃え尽きてしまいます。フェンスが庭を守るように、境界線はあなた自身と大切な時間、エネルギー、リソースを守ってくれるのです。

境界線を定めるには、自分が何を大切に育てたいのかを明確にしましょう。もちろんビジネスを成功させたい気持ちはあるでしょうが、同時に家族との時間を増やしたり、クリエイティブなプロジェクトを副業的に始めたいかもしれません。優先順位がはっきりすれば、それらにいっそう多くの時間とエネルギーを注ぎ、消耗させるだけのものや重要でないものから距離を置くことができます。

また、仕事とプライベートに具体的な境界線を作ることもできます。たとえば、勤務時間や作業場所を決めたり、お金の使い方に関するガイドラインを設定したりすることが含まれます。

自分の境界線が固まったら、次のステップはそれを周囲に伝えることです。ビジネスパートナー、クライアント、家族や友人など、関係者に明確に説明しましょう。

そして忘れてはならないのは、人に境界線を尊重してもらうためには、まず自分がそれを徹底して守らなければならないということです。クライアントに「週末はメールに返信しない」と伝えたのなら、自分が土曜の朝にメールを送るなどもってのほかなのです。

健全な習慣とルーティンが成功の基盤を作る

こんなケースを考えてみましょう。マイケルとナタリーは同じようなビジネスを営んでいます。マイケルは毎日同じ時間に起き、運動し、それから仕事に取りかかります。最も緊急性の高いプロジェクトから始め、時間を区切った休憩を挟み、一日の終わりにはメールの返信をします。一方、ナタリーは起きる時間が毎日バラバラで、起きてから1〜2時間はソーシャルメディアをスクロールして過ごします。それから手探りで仕事をし、プロジェクトをあちこち切り替え、長い休憩を取ります。

これを知ったら、マイケルのほうがはるかに多くの成果を上げ、ビジネスも成功していると聞いても驚かないでしょう。

ここでの重要なポイントは、健全な習慣とルーティンを作ることが成功の基盤になるということです。

習慣とルーティンによって効率が大幅に上がり、目標達成がスムーズになります。なぜなら、何をいつやるべきかがはっきりしていれば、次の行動を決めるのに時間を無駄にしなくて済むからです。さらに、習慣とルーティンは一日を充実した形で構成することを可能にし、毎日の作業を「夢のような毎日」に変えてくれます。

朝は一日のトーンを決めるので、ルーティンを作る際にはまず朝を最優先にしましょう。そして、朝の過ごし方は自分のニーズに合わせてカスタマイズできます。朝にやると気分が良くなったり、エネルギーが湧いたり、落ち着いたりすることを考え、逆に今やっていてその正反対の効果をもたらしていることがあれば見直しましょう。この情報をもとに、一日をしっかりスタートさせる朝のルーティンを作り上げます。

新しい朝のルーティンに慣れてきたら、心と体に良い習慣を身につけることも考えましょう。結局のところ、健康で最高の精神状態でなければ、ビジネスをうまく運営することはできません。

まずは口にするものに注目することから始めましょう。十分な水を飲み、オーガニックの果物や野菜、未加工の肉を中心とした食事を心がけます。また、8時間以上の睡眠をとってしっかり休むことも重要です。寝る前にリラックスする夜のルーティンを作ると、良質な睡眠を確保しやすくなります。

最後に身につけるべき習慣は、定期的な目標設定です。これによって、自分にとっての成功とは何かが明確になります。設定する目標は、具体的で、測定可能で、実行可能なものにしましょう。たとえば「数か月以内にクライアントを10人獲得する」などです。目標は、達成したときだけでなく、そこに向かっている途中でも気分が良くなるような、やりがいのあるものにすべきです。

ビジネスを最大限に活かすには、手を抜かずに取り組むこと

先ほどの庭を思い出してください。少しだけ話を戻しましょう。

リサーチを終えたあなたは、育てたい野菜の種類を決めました。それから庭の周りにフェンスを作り、土を整え、種を植えました。ところが、必要な水やりや肥料をせずに、ただ種が育つのを待っているだけなのです。

このやり方で庭から多くの収穫を得られる可能性は、極めて低いでしょう。良い収穫を得たければ、ただ座って何もしないわけにはいきません。ビジネスもまったく同じです。

ここでの重要なポイントは、ビジネスを最大限に活かすには手を抜かずに取り組むこと、つまりやるべき仕事をしっかりやるということです。

どんなビジネスを立ち上げるにせよ、確実に言えるのは「収益を上げなければならない」ということです。そして、それを確実に実現する最善の方法は、事業計画を作るところから必要な作業に取りかかることです。

事業計画というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。シンプルなものなら、まずビジネスの目的、提供する製品やサービス、年間で目指す収入額を決めることから始めます。次に、そのビジネスにおける自分の役割と、外部に委託すべきことがあるかを考えます。さらに、ビジネスを築きながら自分がどう感じたいかを書き出すことも有益です。これは充実感を得るために欠かせません。

事業計画ができたら、今度は潜在的なクライアントやパートナーのネットワーク作りに取り組みます。一緒に仕事をしたい人のリストを作りましょう。著者たちは200人ものリストアップを推奨しています。リストには、メールアドレスやSNSのアカウント、ウェブサイトなどの連絡先情報を含めます。全員の名前と情報が揃ったら、実際に連絡を取り始め、オンラインで交流し、これらの大切な人間関係を育てていきます。それは、庭の植物を育てるのとまったく同じです。

人々の注目を確実に集める方法は、自分が何をしているか、そしてそれをどれだけ上手くやっているかを正確に伝えることです。それには、自分のサービスをアピールし、その分野のエキスパートとしての立場を築くコンテンツを定期的に発信するのが効果的です。ニュースレターやブログ、SNSの投稿、あるいはポッドキャストでも構いません。質の高いコンテンツを一貫して共有することで、確かな評判が築かれ、人々があなたのビジネスに惹きつけられるようになります。

あなたの人生は、ビジネスと同じだけの時間と労力をかける価値がある

「ワーク・ハード、プレイ・ハード(一生懸命働き、一生懸命遊ぶ)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。ボスになると決めたのなら、この言葉を常に心に留めておく必要があります。

なぜか? ボスになるということは、素晴らしいビジネスを築くためにハッスルするだけにとどまりません。ビジネスを持つことで得られる自由を最大限に活かすことでもあるのです。

ボスであることの最高の利点の一つは、自分が最も幸せになれる人生を送れることです。そして、その自由を手に入れるためには、仕事に注ぐのと同じ意図的な姿勢で臨まなければなりません。

ここでの重要なポイントは、あなたの人生はビジネスと同じだけの時間と労力をかける価値があるということです。

本当の意味で充実した人生を送りたいなら、人生に対してもハッスルする必要があります。つまり、自分の望む人生をデザインし、実際に外へ出てそれを生きるのです! でもその前に、まずは自分がどんな人生を望んでいるのかを明確にしましょう。

旅行に行きたいのか、何かの活動を支援する時間を持ちたいのか、家族を持ちたいのか。あるいは、いろいろな趣味に挑戦してみたいのかもしれません。自分の望みをはっきりさせるには、やりたいことや達成したいことをまとめた「バケットリスト」を作りましょう。ビジネスの目標と同様に、リストの項目は可能な限り具体的にします。まずは20項目くらいから始め、進みながら追加していくのも良い方法です。

もちろん、そのバケットリストの項目を一つひとつ実行していくには、ビジネスを離れる時間が必要です。そして、それは事前に計画しなければならないことです。離れる前に未完了のプロジェクトや注文を片付け、それに応じた予算を組みます。クライアントや顧客には休みを取る旨を伝え、連絡が来たときのために自動返信メールを設定しましょう。コンテンツの発信を続けたいなら、ブログ記事やSNSの投稿を事前に用意して予約投稿をセットします。

充実した人生を創り上げるには、自分のやりたいことのために時間を取ることに加え、適切な人たちに囲まれることも重要です。人間関係によって支えられ、刺激され、鼓舞される必要があるのです。

そのようなつながりを築くには、自分から積極的に外に出て、志を同じくする人たちのクラブやコミュニティに参加しましょう。あるいはインターネットを活用して、共通点のある人を見つけることもできます。そうすればやがて、自分の人生に意味を与えてくれる友人や仲間の輪ができあがります。

まとめ

「ボスになる」旅は、自分の価値観を理解し、これから立ちはだかる課題に立ち向かう自信を育むことから始まります。また、生産性を確保するために明確な境界線や健全なルーティン、習慣を確立することでもあります。これらをシンプルな事業計画、専門知識を共有する戦略、そして自分の関心事に充てる質の高い時間と組み合わせれば、成功するビジネスと刺激的な人生に必要なすべてが手に入ることがわかるでしょう。

実践的なアドバイス:

「ビジネスの親友」を作りましょう。起業の旅を一人で歩む必要はありません。人生や仕事に対して同じように意欲的な、気の合う人に声をかけてみてください。相手もまた自分のビジネスを立ち上げているなら、なお良いでしょう。定期的に会う約束をして、お互いの目標やアイデア、課題、成功を共有し合いましょう。その人を「ビジネスにおける親友」と考えるのです。

Add Comment