『ネバー・フィニッシュド』(2022年)は、想像もできなかった自分へと生まれ変わるための道しるべとなる一冊です。人生の終わることのない試練を乗り越えるために活用できる、挫折の物語とそこから得た教訓が綴られています。
この本から得られるもの——心の壁を乗り越え、限界を超える方法
あなたは今、20代半ばから30代だろうか。ようやく人生のコツをつかみ、何年も前に夢見ていた通りの生活を送っていると思っているかもしれない。しかし、本当にそうだろうか?今の自分は本当に人生の絶頂だろうか?
それとも、まだ始まったばかりだろうか?デビッド・ゴギンズの『ネバー・フィニッシュド』では、人生は終わることのない成長を求めていることがわかる。あなたが「絶頂」と呼ぶものは、ほんの始まりにすぎない。あなたの本当の実力は、想像をはるかに超えている。それに気づくために必要なのは、精神的・肉体的なレジリエンスを通じて自分を信じる力を築き、これから待ち受ける試練を歓迎することだけだ。
惨めさに浸るのをやめ、前進を始めよう
好むと好まざるとにかかわらず、人生はあなたにあらゆる種類の「レモン」を投げつけてくる。課題の提出漏れやノートパソコンの故障といった小さなレモンもあれば、つらい事故や事業の失敗といった大きなレモンもある。しかし、どんな大きさのレモンを投げつけられようとも、大切なのは、その長引く影響をうまくかわし、前進することだ。
残念ながら、それは口で言うほど簡単ではない。多くの人は、不運が過ぎ去った後も長い間、その不幸に思い悩む傾向がある。虐待的な関係から抜け出した後も、身体的なケガから回復した後も、何年も経ってなお惨めな思いを抱えている。自分の不運な運命を嘆き、それに浸り続ける。時には、それを自分の弱さの言い訳にして、現状に留まり続けることもある。自分が経験することを完全にコントロールすることは決してできない。
実際、ほとんどの場合、あなたは不利な状況に置かれる。しかし、コントロールできるのは、その状況にどう反応するかだ。ネガティブな経験をした後、どう行動するかはあなたの責任である。自分を奮い立たせて前進するか、絶望の淵に留まり人生を支配されるかは、あなたの選択だ。すぐに大きな跳躍をする必要はない。悲劇の翌日に100パーセント元気でいる必要もない。
大切なのは、たとえごくわずかでも、継続的に改善していくことだ。毎日、過去の鎖から解き放たれるために努力していることを自分に示す必要がある。小さな一歩でいい。しかし、決して前進を止めてはいけない。遅かれ早かれ、あなたは自分がなるとは思ってもみなかった人物へと成長するだろう。本当に必要なのは、過去ではなく未来に目を向けることだけだ。
ネガティブな経験を高みへ登るための原動力に変える
人生でネガティブな経験を一度もしたことがないと言うなら、それは嘘か、世界一の幸運児だ。高校を落第したことでも、虐待的な家庭で育ったことでも、悪い記憶の一つや二つはあるはずだ。その記憶は何らかの形であなたの心を乱し、それ以来、完全に安心したり自信を持ったりすることができなくなっている。その悪い記憶に対処するための第一歩として、おそらくあなたはそれを否定しようとするだろう。
「その経験は、目撃者が言うほど悪くはなかった」と言うかもしれない。「実際にはそんな風には起きなかった」とまで言うようになるかもしれない。しかし、ネガティブな経験を認めなければ認めないほど、苦しみの中に自分を長く留めることになる。痛みから逃げていては、本当の潜在能力に気づくことは決してできない。だから、悪い記憶をクローゼットにしまい込んではいけない。それを受け入れ、全力で向き合おう。痛みを直視するのは確かに怖く、不安をかき立てる。しかし、そうすることで自由になるだけでなく、あなたは前に進む力も得られるのだ。
その痛みを自分の利点に変えることができる。痛みを蓄え、それをみんなを見返すためのモチベーションとして使うことができる。痛みと向き合う第一歩を踏み出すのが難しいなら、ジャーナリング(書くこと)から始めるといい。経験を書き出し、試練を乗り越えた後に振り返られるようにしておこう。さらに良い方法は、自分の声を録音することだ。ネガティブなコメントやつらい記憶に直面するたびに、携帯を取り出し、自分の話を声に出して語ってみよう。
何が起きたのか、細部に至るまで説明しよう。そして、それを毎日聞くのだ。最初はつらいかもしれない。その経験を追体験したくはないだろう。しかし、頻繁に繰り返すうちに、自分がいかに勇敢になったかに気づくだろう。痛みと向き合えるようになった自分に気づくだろう。1秒で何ができるだろうか?サーモンを一皿平らげることも、長いメールを書くことも、100ヤード走を走り切ることもできはしない。
たった1秒が人生を大きく変える
確かに1秒は非常に短い。しかし、人生を大きく変えるにはそのくらいの時間で十分だと知れば、驚くはずだ。これがデビッド・ゴギンズの言う「1秒の決断」である。人生の試練に直面する中で、自分を疑い始める瞬間が必ず訪れる。1件の契約をまとめられなかったせいで、ビジネスを成功させられないと思い込むような瞬間だ。
ハーバードに入れなかったせいで、自分はもともと頭が良くなかったのだと思い込む。こうした瞬間こそが重要だ。あなたを伸ばすか、あなたを潰すか。多くの人は、このような瞬間を経験したその場で諦めてしまう。わずかな疑いが、夢を窓の外へ放り出すのに十分なのだ。同じ過ちを犯してはいけない。反射的に反応するのではなく、1秒立ち止まって決断しよう。
一瞬だけ感情を脇に置き、思考のコントロールを取り戻そう。そして自問するのだ。本当に辞める必要があるのか、それとも、ストレスと不安のせいで自分を疑っているだけなのか。後者なら、その1秒で「戦う」と決断できる。一瞬の弱さに全ての夢を奪われてはいけない。人生にはそういう瞬間が何度も訪れる。その一つひとつに、毎回勝たなければならない。
なぜここにいるのかを自分に思い出させよう。目標に超集中し続けよう。その疑念を克服したら、新たに得た力で人生のさらに多くの試練を乗り越えられるようになる。強くなれる——すべては「1秒の決断」をしたからだ。何日もハイキングを続けているのに、まだ頂上にたどり着けない場面を想像してみよう。
苦しみの終わりが近いかを考えるのではなく、目の前の仕事に集中しよう
頼りになる地図を見て、ゴールまであと一つの曲がり角だと気づく。もう少しで休憩でき、山頂に旗を立てられる。曲がり角を曲がり、ほっとため息をつく。「やっと着いた!」と思う。
しかし、周りを見渡すと、実際には頂上にいないことに気づく。本当の頂上に着くまでには、もう一つ小さな丘を登らなければならないのだ。人生はそういうふうにできている。苦しみがようやく終わったと思った瞬間、まだまだ終わっていないことに気づかされる。到達したのは偽の頂上にすぎなかったのだ。ただし、偽の頂上を避ける簡単な方法がある。終わりの印を探すのをやめることだ。たとえば、先生がオーディオブックを聞いて内容を要約するように言ったとしよう。
オーディオブックの長さがわからないので、聞きながら「そろそろ終わりだろうか」と考え続ける。最終章に着いたと思うたびに、次の章が現れる。終わりのサインを探すことは、失望を招くだけでなく、活動の本質から気をそらすことにもなる。終わりに到達することに気を取られすぎて、実際に聞くことを忘れてしまい、気づけば要約は意味不明の言葉の寄せ集めになっている。
終わりは必ず来るとわかっている。だから、終わりを探すのではなく、目の前の仕事に注意を向けよう。それがやるべきことだから、全力を尽くそう。今の責任に集中すればするほど、早く終わる。気づいたときには、終わりの標識の真ん前に立っているはずだ。
規律があなたをより責任感があり、回復力のある人間にする
早朝の訓練に励む兵士の小隊を見れば、彼らの規律の素晴らしさに感嘆するだろう。彼らは命令を完璧に遂行し、雄鶏がコケコッコーと鳴く前に出撃する準備ができている。これこそが規律の力だ。しかし、彼らのような規律を身につけるために軍隊に入る必要はない。
自宅の快適な環境からでも、自分で規律を培うことはできる。規律とは、実は自分の能力の限りを尽くして物事に取り組むことに他ならない。何かを始める主体性を持ち、やりかけのまま放置しないことだ。誰も見ていなくても、誰もチェックしていなくても、最初から正しくやろうと努力することを意味する。規律が身につくと、自分に対してより責任を持つようになる。やることリストを他人に作ってもらう必要はもうなくなる。
起き上がって、タスクを書き出し、一つずつチェックしていくだけだ。やがて、そのやることリストを中心に行動計画を立てられるようになり、自分の一日がどう進むかを正確に把握できるようになる。規律は、精神的・肉体的なキャパシティを高めるのにも役立つ。タスクを繰り返し最適化していくうちに、自分の能力が日ごとに大きくなっていることに気づくだろう。以前なら一日がかりだったやることリストを、4時間で軽々とこなせるようになる。これにより、より多くのことを引き受けられるようになる。仕事と大学と3人の子どもの家庭を同時に回している人にとって、これは心強いことだ。
規律の最も重要な副産物は、より強い精神状態だ。他人の成功に不安を感じることはもうない。なぜなら、自分自身の行動と努力に集中するのに忙しすぎるからだ。そのようなネガティブな考えがなくなれば、望む場所に到達できることは間違いない。あなたが生まれた日に達成したことをすべて挙げてみよう。
低レベルの成功で満足してはいけない
そう、生まれたばかりの赤ん坊として何を成し遂げたか。多くの人と同じなら、おそらく大したことはない。誰もがトロフィーや称号をたくさん持って生まれてくるわけではない。誰もがはしごの一番下の段からスタートする。
しかし、望む人生が頂上にあると知りながら、下に留まったままで満足すべきということではない。最初の一歩を超えて進む意欲が必要だ。ここで多くの人が間違える。先に待ち受けるものを恐れて、今いる場所に留まることを選んでしまうのだ。恐怖は自然なことだ。未知の世界に飛び込みたいと思う人がどこにいるだろう?
しかし、恐怖を克服するには、正面から向き合う以外に方法はない。怖いと思うことに取り組もう。ただし、剣を持たずに戦場に行ってはいけない。準備することは大きな価値がある。最下層にいる時間を、将来の大きなチャンスに備えて準備する時間として使おう。そこを訓練の場と捉え、スキルを磨き、より良い自分になっていくのだ。覚えておくと良いコツは、すでに頂上にいるかのように振る舞うことだ。望む場所に到達したとき、順応に苦労することはないだろう。
もちろん、人生はいつも順風満帆とは限らない。どれだけ準備をしても、失敗することはある。そして多くの場合、それは自分ではどうにもできないことが原因だ。そんなときは、失敗を自分自身を知るための方法として捉えよう。人生の最悪のカーブボールに備えて、自分の核を強化する機会を得るのだ。新しい仕事を始めると、最初に学ぶことの一つが、会社が従業員に求める基準や期待だ。
普通の基準を超え、自分自身の基準を設定しよう
会議には早めに到着しなければならない。月末報告書を提出しなければならない。どこに行っても会社の良い代表者でなければならない。こうした基準は、職場だけでなく、どこにでも存在する。
基準はチームの各メンバーを導き、組織の目標に沿って働くことを保証する。あなたはその基準を忠実に満たし、何をするにもそれを念頭に置くことが期待される。確かに立派なことだが、基準を主要なターゲットにすることはあなた自身の不利益になる。あなたの可能性を最大限に発揮するのを妨げてしまう。たとえば、上司に会社のSNSチャンネルのコンテンツを1週間分作るように言われたとしよう。多くの人は、その1週間分だけ作って終わるだろう。
結局、それが求められていることだからだ。しかし、最低限のことをしても成長は促されない。本当に成長するとは、設定された基準を超えることを意味する。それは、自分自身の基準を設定し、そこを目指して努力することだ。だから、上司のために1週間分のコンテンツだけを作るのではない。1ヶ月分——いや、1年分を作るのだ!
期待を超える仕事をしても、おそらく昇給はないだろう。しかし、そもそも称賛や評価を求めるべきではない。基準を超えるのは、自分が本当にどれだけできるのか、どこまで自分を追い込めるのかを確認するための内的な承認のためだ。それが成長の方法である。これをやる自信がないなら、常に期待を超える人たちに囲まれて過ごしてみよう。そうすれば、負けず嫌いの自分がよりやる気になるだろう。
偉大さは手の届くところにある——努力する意志があれば
偉大さをどう定義するだろうか?ノーベル賞を受賞する人だろうか?10年連続でMVPを獲る人だろうか?月面ミッションを率いる人だろうか?
確かに彼らは文句なしに歴史上最も偉大な人々の一部だ。そして、そのあまりの偉業の大きさに、そんなレベルの卓越性は自分には手が届かないと思い始めるだろう。しかし、まさにその考え方こそが、あなたが偉大さに到達するのを妨げているのだ。一般的な考えとは異なり、偉大さは才能と特権に恵まれた人だけが登れる手の届かない台座ではない。それはあなたの手の届くところにあり、ただ手を伸ばす意志がないだけなのだ。ただし、あなただけのせいとは言えない。多くの場合、育ち方が思考を制限し、「自分は偉大さを持つ運命にない」と信じ込ませるのに大きな役割を果たしている。
この世に生まれた瞬間から、人々はあなたをカテゴリーに当てはめ始める。「女性だからCEOになるべきではない」「男性だからテクノロジー業界でキャリアを築くべきだ」「まだ18歳だから起業せず大学に行くべきだ」「もう56歳だから転職ではなく退職を考え始めるべきだ」。人は、あなたが自分を定義できるようになる前から、あなたを定義する癖がある。そして残念なことに、それがあなたの偉大さに対する見方に悪影響を及ぼす。
しかし、ネガティブな声がどんなに大きくても、あなたにはそのカテゴリーから抜け出し、自分を再定義する力があることを知ってほしい。地元の電力会社で最初の女性になろう。家族で最初の高卒の億万長者になろう。大学の卒業式で最初の50代になろう。型を破る最初の人物は必ず必要だ。その人物があなたになればいい。
まとめ
なりたい自分に変身するためには、まず自分自身と社会が築いてきた障壁を乗り越えなければならない。そのためには、自分の限界を超える意志、過去が未来を汚すのを防ぐこと、そしてどんな困難や痛みがあっても前進し続けることが必要だ。
最後のアドバイスを一つ。誰と一緒にいるかを慎重に選ぼう。そばに置く人は、あなたの最大の可能性を最初に認めてくれる人でなければならない。足を引っ張る人と一緒にいてはいけない。彼らはあなたを押し上げ、目標に向かって一緒に歩んでくれる人であるべきだ。





