「仕事がつまらない」と感じたら読むべきキャリア大転換の極意

『最高の仕事』(2016年)は、仕事人生に満足するために必要なキャリアチェンジの手引きです。本書は、転職や業界変更、ずっとやりたかったのに始め方がわからなかったことに挑戦するという困難なプロセスを、一歩ずつ丁寧に解説します。

理想の仕事を見つけるための道案内

仕事に疲れていませんか? 退屈、消耗感、あるいはやっていることに満足できない。もしくは、仕事内容は好きなのに、オフィスや同僚のせいで出勤が憂うつだという人もいるでしょう。現代社会では、急いで仕事を見つけて生計を立てようとするあまり、判断を誤り、自分の期待に合わなかったり、強みを活かせなかったりする仕事を選んでしまいがちです。

その結果、不満は募るばかり。でも、人は変化をためらいます。他に仕事が見つかるか、ましてや今より良い仕事なんてあるのか、という不安があるからです。そもそも、代わりに何をしたいのかさえわからないこともあります。この要約では、キャリアチェンジに必要なものを明らかにします。恐怖を克服し、自分の強みを見つけ、キャリア移行をうまく計画するための効果的な戦略が満載です。この要約を読めば、次のようなこともわかります。

  • 宝くじに当たることがキャリアプランにならない理由
  • サッカーのゴール、月面着陸、キャリアチェンジに共通すること
  • スーパーの試食のように、仕事の機会を試す方法

仕事に対する非現実的な期待が、多くの人の不満を生んでいる

「好きなことを仕事にすれば、一生働かなくてすむ」——そんな決まり文句を聞いたことがあるでしょう。しかし現実はそんなに単純ではありません。仕事が「仕事」と呼ばれるのには、ちゃんと理由があるのです。さらに厄介なのは、多くの人が仕事に対して非現実的な期待を抱いていることです。

たとえば、理想のキャリアを尋ねると、「たくさん旅行に行ける仕事」とか「今の倍の収入が得られる仕事」といった答えが返ってきます。しかし、そうした考えは完全に見当外れです。宝くじ当選を理想のキャリアに挙げる人もいますが、それと同じで、贅沢な仕事という発想は幻想であり、実現確率は途方もなく低いのです。極上の待遇を求める人がいる一方で、今の仕事以外なら文字通り何でもいいという人もいます。実際、自分の専門分野は好きだと言う人でさえ、仕事に不満を抱いている人は少なくありません。2013年のギャラップ社の世界調査によると、実に87%の従業員が自分のキャリアに満足していませんでした。

しかし、仕事に不満を感じる原因は、どんな仕事をしているかではなく、職場環境にあります。上司、同僚、給与、あるいは社内政治といった要素が問題なのです。もしあなたがこれに当てはまるなら、同じ会社の別のポジションか、別の会社で同じ役割を探すのが理にかなっているかもしれません。たとえば、家族がいるのに出張が多い仕事の場合、社内で自宅近くにいられる別の役割のほうが良いでしょう。とはいえ、キャリアチェンジを考え始めると、「自分にはできない」「絶対に失敗する」といった考えが頭をよぎるものです。

キャリアチェンジに必要なのは、恐怖を克服し、何を変えるべきかを決めること

では、そうした思考を乗り越え、望むキャリアを手に入れるにはどうすればいいのでしょうか。これらの思考に共通する根っこは「恐怖」です。キャリアを変えるには、まず恐怖を克服しなければなりません。あなたの計画が怖いと感じるのは当然のことです。未知の状況に対する人間の自然な反応であり、キャリアチェンジはきわめて不確実性の高い試みだからです。

不安をコントロールするには、まず「わからないこと」をリストアップしましょう。たとえば、「すぐに次の仕事が見つかるかどうかわからない」「新しい会社で働くのがどんな感じかわからない」「新しい期待に応えられるか心配」といったことです。わからないことをすべて書き出したら、それぞれの何が怖いのかを書き添えます。次に、それぞれの恐怖に対して、「にもかかわらず」で始まる行動文を作ってみましょう。例えば、「収入が数ヶ月途絶えるかもしれないから、キャリアチェンジが怖い。この経済的リスクにもかかわらず、貯金があるからキャリアを変えられる」といった具合です。

不安とその対処法を書き出すことで、正当な恐れとそうでないものを切り分け、自分に何ができるかが見えてきます。そうやって障害を取り除いたら、次はどんな変化を望むのかを決めます。これはとても重要です。というのも、実際はほんの少し調整するだけで済むのに、キャリア全体を一気に変えようとして失敗する人が多いからです。その失敗を避けるために、現在の仕事の満足度をじっくり考え、どんな変化が必要かを見極めましょう。

「今の職場と同僚をどれくらい気に入っているか」「同じ役職の他者と同等の給与をもらっているか」といった質問を自分に投げかけてみてください。こうした問いに答えることで、部署を変えるべきか、会社を変えるべきか、それともキャリアそのものを変えるべきかがはっきりしてきます。

5カ年計画を立て、キャリアチェンジの道筋と不安の軽減を図る

禁煙や減量、爪噛み癖をやめるなど、人生の大きな変化に挑戦する人はたくさんいます。しかし、計画を続けられずに挫折することも少なくありません。だからといって変化が不可能なわけではなく、短期思考と長期思考をうまく組み合わせる必要があるということを示しているのです。どんな変化を望むのか正確にわかったら、次は近い未来と遠い未来、両方の計画を立てましょう。

紙に3つの列を描き、それぞれ「1年後」「3年後」「5年後」と見出しをつけます。そして、各列に、その時点での理想の雇用状況を書きます。希望する職種、希望年収、必要なスキルや教育、管理職かどうか、といった情報を3つの列すべてに記入していきます。記入が終わったら、現在地から目的地までを結ぶタイムラインを作りましょう。この作業によって目標が紙面に落とし込まれると同時に、理想の仕事を見つけることへの恐怖も和らぎます。これからの5年間でたどるべき道筋がきわめて具体的にわかり、その知識こそが恐怖を静める要になるからです。

たとえば、このプロセスを終えれば、自分に必要な研修を受け始めたり、条件に合うポジションを探したりできるようになります。これにより、大きな変化に対する恐怖を細分化するような、達成可能な小さな目標をいくつか設定でき、目標達成の可能性が高まります。企業が収益を上げるためにリソースを活用する必要があるのと同じように、あなたも自分のリソースを活用しなければなりません。では、あなたが自由に使える最も重要なリソースとは何でしょうか。

それは、周囲の人々です。自分の人脈にいるコンタクトを棚卸しし、それぞれがあなたのキャリア目標達成にどう役立つかを考えてみましょう。つまり、これはネットワーキングに他なりません。

人付き合いが苦手でも、人脈を活かしてキャリアを変えることはできる

ネットワーキングを「浅はかだ」とか「利己的だ」と感じて楽しめない人も多いですが、実際は人間関係を築くことがすべてです。純粋な善意をもって関係構築に取り組めば、ネットワーキングのその他のメリットは自然とついてきます。とはいえ、ちょっとした戦略はあります。たとえば社交の場や会議で知り合ったら、最低でも年に3回は連絡を取るようにしましょう。ちょっとしたことを思い出したのでメールを送る、といった簡単なことでかまいません。

連絡を取り続けることでラポール(信頼関係)が築かれ、いざというときに頼み事がしやすくなります。たとえば、ビジネスフェアで会った会計士の知り合いが、あなたがどうしても働きたい会社のCEOを知っているかもしれません。しかし、新しい人に会うのが怖いという人もいます。もしどうしても不安なら、事前の準備を検討しましょう。まず、ほとんど誰にでも使える質問をいくつか用意します。相手の職業や、あなたの会社を知っているかどうか、といったことです。

質問を投げかけ、相手が答えている間に落ち着きを取り戻し、それから自分に関連することを少し話します。この対話の目的は商談をまとめることではなく、短い会話を通じて印象を残すことです。相手に自分のことをより詳しく伝え、次の面会をセッティングするのは、後日、電話やメールでフォローすればいいのです。

入念に計算された形で進めるために、キャリアチェンジの準備はできるし、すべきである

スーパーによっては、買う前にいろいろな食品を試せる無料サンプルを提供しているのをご存知でしょう。それと同じように、雇用市場にも無料の「お試し」は存在します。実際、志望する仕事の実態を事前に知る方法はたくさんあり、そうした情報が、雇用やキャリアの見通しについて十分な情報に基づいた決断をする助けになります。たとえば、社内異動を考えているなら、試験的に週に1日だけ別の役割で働かせてもらえないか頼んでみるといいでしょう。

社外のポジションに関しては、適性があるかどうかを見極めるために、数週間の試用期間を設けてくれる企業はたくさんあります。あるいは副業を始めたり、興味のある新しい分野の研修を受けたり、新しいキャリアの選択肢についてできるだけ多くの人に話を聞いたりするのも良い方法です。しかし、キャリアチェンジの旅に出る前に、適切な装備を整えることが肝心です。まず、万一の場合に備えた経済的な緊急時対応策を必ず用意してください。移行期間を乗り切るのに必要なお金を計算し、さらに念のため、それより少し多めに確保しておきましょう。それから、精神的な準備も欠かせません。キャリアチェンジは、最初からすべてがうまくいくとは限らないからです。

変化は特に初期段階が難しいものです。でも心配はいりません。時間とともに楽になっていきます。著者自身、博士論文を入念に準備し、これで提出できると思ったところで、大幅な加筆が必要だと言われて打ちのめされました。それでも慌てふためいたりせず、自分の設定した目標に集中し続け、それを信じて、論文が完成するまで決して諦めませんでした。教訓は明らかです。このような人生の大きな転換に乗り出すときは、慎重に計画を立て、それを守り抜くことです。

まとめ

違う仕事に就くこと、新しい会社に移ること、あるいはまったく別の業界に入ること、いずれが目標であれ、キャリアチェンジで自分が何を求めているのかを見極め、それを達成するための入念な計画を練る必要があります。自分自身をよく知り、何が可能かを現実的に見極めることが、この人生を変えるかもしれないプロセスにおける重要なステップです。

実践的なアドバイス:自分の強みを明確にする。仕事を変えたいのはわかっているけれど、何をすればいいかわからない場合は、自分の強みとそれが別の分野でどう活かせるかをじっくり考えてみましょう。自分が特に得意なことをリストアップし、そうしたスキルを必要とするさまざまな業界や仕事について考えを巡らせてみてください。

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